140字以上つぶやき

主にゲームの事とか。気まぐれで別の何か。

ゲーミングPCデビューを応援したいお話


サムネ画像
 
どうも。あずきです。
年が明けました。2024年もよろしくお願いします。
 
今回もまたPCのお話です。リクエストがあったので許し亭許して
 
皆さんは初売りに行きましたか?僕は性懲りもなく新しいグラボを購入しました。

 
人生初のAMDRadeon GPUを購入しました。中古ですが。
RX 6600 XTはRTX 3060と同等程度の性能なので、3060を搭載しているサブPCに乗せ換えてみて遊んでみたいと思います。
 
それはそれとして
 
今年も初売りで各社のPCがセールをしていました。数年前のマイニングブーム時とは何だったのか、非常に価格が(比較的)お財布に優しいラインナップで羨ましい限りです。
で、今回は新年一発目ということもあり(?)、ゲーミングPCをこれから購入する方々に向けた記事にしようと思います。
 
一般的に「ゲーミングPC」というと、デカいデスクトップPCで、ビガビガ光っていて、消費電力と排熱がヤバい、というイメージがあると思います。実際そんな感じではあるんですが・・・
最近のゲーミングPC事情を見ると、そのイメージから外れたスタイリッシュなPCが増えてきたように思います。端的に言えば、ノート(ラップトップ)PCとUMPC(ハンドヘルド)の存在が目立ってきた感じです。
現在のゲーミングPCは「デスクトップ派」「ノート派」「UMPC派」の3大勢力にわかれ、熾烈な争いを繰り広げていたりいなかったりします。
ところが派閥が多いと初心者に優しくなく、「ゲーミングPCを買いたいのに、何がいいかわからない!」という現象が起こりうるのも事実です。というか僕が初心者だったらこうなります。
 
今回の記事では、「結局のところゲーミングPCを買うなら何がいいのか」ということに焦点を当てて、初心者に向けた内容でお送りします。
できるだけ用語解説はしていこうと思いますが、詳しい内容については各自で調べてください(責任放棄)
 
 

 
 

そもそもゲーミングPCとは

「ゲーミングPCってなんぞ?」という人、多分いますよね。
「普通のPCと何が違うの?」と思いますよね。わかる。
 
結論から言うと、普通のPCとあまり変わりはないですそもそも『普通のPC』ってなんやねん
 

PCについてざっくり説明

PCはシステムを操る『CPU』と、映像を処理する『GPU』の2つのプロセッサーでいい感じに動いています。厳密にはもうちょっと複雑ですが、概ねこんな感じです。
ゲームの場合は映像処理のパワーが大切なので、『GPU』の性能が重視されます。もちろん全体を管理する『CPU』も大切ですが、最近のCPUは性能が高く、そこそこのやつでも十分な性能があります。
 

グラフィックボード(グラボ)って何?

ゲーミングPCの話題になると出てくる『グラフィックボード(カード)』ですが、これは「高性能なGPUを搭載したパーツ」を指す名称になります。
記事冒頭の画像に写っているのは「AMD Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC」という製品名の『グラフィックボード(グラボ)』で、搭載されている『GPU』は「Radeon RX 6600 XT」になります。なんだかややこしいですね。
GPU≠グラボ」ということを理解してもらえればいいので、そこまで厳密に覚えなくていいです。
 
割と勘違いされがちですが、そもそもGPUがないと映像が映らないわけで、グラボを載せなくてもCPUに統合されているGPUで映像処理は可能です。
Intel社のCPUであれば「UHD Graphics」が内蔵されています。AMD社は内蔵GPUがありませんが、「with Radeon」という形で搭載されていることがあります。
一応内蔵GPUの性能は年々上がってるので、ノベルゲームや2Dパズルゲームなどの軽いゲームなら遊べるくらいの性能はあります。ただし、3Dゲームには性能が足りず、満足にゲームを遊べないことがほとんどです。
だから別途グラボを買う必要があったんですね
 
ちなみに、現在主流なゲーム向けGPUには、NVIDIA社のGeForceシリーズ、AMD社のRadeonシリーズ、Intel社のArcシリーズがあります。
 

小まとめ

前置きが長くなってしまいましたが、ゲーミングPCは高性能なCPUとGPUを搭載しただけのPCなので、『高性能なパーツを組み込んだ普通のPC』なわけです。普通とは
「ゲーミングPC」と名付けられているからといって、特殊なパーツを追加で搭載しているわけではないことがわかってもらえれば、僕は大満足です。
 
 

各ゲーミングPCの特色

まえおき

ようやく本題の「ゲーミングPCを買うならどれがいい?」に入ろうと思いますが、その前にちょっとだけ前置きを書きます。要は自語りです。読み飛ばしても問題ありません。
ゲーミングPCの特色を語るのに、そのPCを使ったことがなければ書けないですよね。というわけで、僕のPC環境を簡単にまとめたものを紹介します。
 
 
デスクトップ(メイン)
CPU:Intel core i9-13900K
GPUGeForce RTX 4080
メモリ:DDR4-3600 64GB(16GB x4)
冷却︰420mm簡易水冷(Corsair H170i Elite)
電源︰1200W Gold
ストレージ:M.2 SSD & 3.5 SATA HDD
ケース:ミドル〜フル(Fractal Design Meshify2)

デスクトップ(サブ)
CPU:AMD Ryzen 5 5500
GPUGeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-2666 32GB(16GB x2)
冷却︰ハイエンド空冷(DeepCool ASSASSIN3)
電源︰750W Gold
ストレージ:M.2 SSD
ケース:ミニ(Fractal Design Focus G Mini)
 
ノート
CPU:Intel core i7-9750H
GPUGeForce RTX 2070 Max-Q
メモリ:DDR4-2666 32GB(16GB x2)
ストレージ:M.2 SSD
画面:15.6 inch 1920x1080 144Hz
 
UMPC
APU:AMD Ryzen Z1 Extreme
メモリ:DDR5 16GB
ストレージ:M.2 SSD
画面:8 inch 1920x1080 120Hz
備考:ROG Ally
 
 
こんな感じで、今回紹介する『デスクトップPC』『ノートPC』『UMPC』を全て使ってゲームをしています。
ちなみにPCだけじゃなく、Nintendo SwitchやPS5でもゲームをしています。
 
 

デスクトップPC

ゲーミングPCといえば、やはりデスクトップPCが一番最初に候補に上がるかと思います。
デスクトップPCは各パーツが独立しており、ユーザーによって自由に組み替えられる構造になっています。
また、パーツを入れるケースで外見やサイズを変えることができ、ユーザーの環境や好みに合わせた構成にカスタマイズできることも特徴の1つになっています。
 
そんなデスクトップPCの長所と短所を挙げていきたいと思います。
 

長所

1.抜群のカスタマイズ性

デスクトップPCの最大の利点がこれです。というか、これがあるからデスクトップPCが一番売れてるんだと思います。
各パーツを自分の好きなように組み合わせることができるため、性能重視やコスパ重視、見た目重視など、ユーザーの目指す形に組むことができます。
また、パーツが独立しているため、一部のパーツを組み替えるだけでスペックの更新がしやすい所も◎です。特にグラボやメモリ、ストレージは交換や増設がしやすく、後から変更したくなる部分でもあるため、比較的交換が容易なデスクトップPCは相性がいいです。
自作PCなど、自分でパーツを組み替えたPCには愛着がわくのも特徴です。僕はメイン機のPCを「めっふぃー君(Meshify2なので)」と呼んで愛でています。
PC本体だけでなく、モニターやキーボード等の周辺機器も好きなように選べるため、カスタマイズの拡張性にも優れています。
 

2.静か

ゲーミングPCを知らないと「ノートPCの方が静かでは?」と思いがちですが、ゲーミングノートはめっちゃうるさいです。詳しくはノートPCの項目で話します。
デスクトップPCのパーツ構成や設定によりますが、ファンやクーラーなどの冷却装置を、大型のものを搭載しやすいデスクトップPCは静音性に優れています。
特に静音重視で組んだPCは騒音値が30dbを下回り、図書館よりも静かに冷えるPCを組むこともできます。
騒音はゲーム中にヘッドセットをすることで回避できますが、マイクを使った作業や、スピーカーでゲームや音楽を楽しむのであれば、静音性に優れたデスクトップPCの方が向いていると思います。
 

3.コスパがいい

そもそもゲーミングPCが高価なので「安い」という表現が相応しいか怪しいですが、他のPCに比べれば『性能の割には安い』といえます。つまりコスパがいいです。
1のカスタマイズ性と被りますが、構成を自由に決められる都合上、性能を盛りたいところに集中して、それ以外は価格を抑えた構成が可能です。これによって性能に無駄がなく、しかも安く組むことができることで、コスパの良いPCにすることができます。
また、中古パーツの組み込みで価格を抑えることができることも、コスパの良さに貢献しています。
僕はグラボを中古で買いがちですが、引きがいいのか状態の悪いグラボを引いていません。中古グラボは新品定価の40〜70%くらいの価格で購入することができ、非常にコスパがいいです。ただし、中古パーツは保証がつかない場合がほとんどなので、初心者にはおすすめできないです。慣れてきてから自己責任で購入すると良いと思います。初心者向け記事とは
 
 

短所

1.場所を動かしにくい

Desk Top(机の上)の名の通り、一度設置すると動かしにくくなってしまうのは、デスクトップPCの大きな欠点です。基本的に動かさないとは思いますが・・・
特に配線がゴチャゴチャしやすいため、ケーブルマネジメントはとても大切です。USBは特に配線が大変なので、ケーブルタイ等を使ってまとめるとスマートな環境になると思います。
 

2.大きい

デスクトップ向けのパーツは、1つ1つがそこそこのサイズになっているため、全部組み込むとそれなりにサイズが大きくなります。
初心者がデスクトップPCを避けたがる理由の一番はこれだと思います。「置き場所がない!」うんうん、そうだね
僕のサブPCは『ミニタワー』と呼ばれるケースを使っていて、一般的に使われる『ミドルタワー』の50%〜70%くらいのサイズ感のものになります。やや拡張性が犠牲になった代わりに、コンパクトさを得たケースです。さらに小さい『コンパクトタワー』『スリムタワー』というものもあります。
ケースが小さくなるほど拡張性が犠牲になっていきますが、その分コンパクトな環境を構築できるため、今では「大きくて場所がないからデスクトップPCは嫌!」という理論は通用しなくなってきたなぁ、という感じです。
 

3.消費電力がやや大きい

正直、ゲーミングPCを買うのに消費電力ってあまり気にしないと思うんですが、なんか気になる人もいるらしいので一応短所として挙げておきます。
『ノートPC』『UMPC』と比べると、確かに消費電力は大きいです。ハイエンドモデルになるほど、消費電力も発熱量も増えていきます。
消費電力が大きい分、性能の上限値が高くなるということではありますが、最近は電気代が高くなっていることもあり、省電力なゲーミングPCを求める人もいるらしいです(不確定情報)
少し知識は必要になりますが、設定から消費電力を変更することができるため、ある程度は省電力化は可能です。そもそも電気代が気になる人はゲーミングPCが向いてないので、PS5やXbox Series Xを買いましょう。
 
 

ノート(ラップトップ)PC

ノートPCは、PCメイン部・モニター・キーボードが一体になった、(ほぼ)オールインワンPC。追加購入はマウスだけ。
性能は年々上がっていて、モバイル機にもかかわらずデスクトップに比肩する性能を出すこともあります。
モバイル機ならではの省スペース化が特徴のPCです。
 

長所

1.携帯性と性能のバランスが良い

ノートPCの最大の利点にして、ノートPCを選ぶ唯一のポイントです。ある程度自由な場所でゲームができて、それなりのパフォーマンス性能があります。
ノートPCなので持ち運びしやすく、ベッド横や他のデスクへの移動が容易で、デスク前に居場所を固定されることがないのは非常に気楽でいいです。
ただし、自室で頻繁に場所を移動する人、他の場所に持っていくことが多い人、『デスクトップPC』やモニター&キーボードを置く場所が微塵もない人以外は、ノートPCを買うと高確率で後悔するのでおすすめしません。
 

2.用意するデバイスが少ない

モニターとキーボードがセットになっているため、必須なのはマウスだけです。あとは使うならヘッドセットですね。
しかも『デスクトップPC』のように各デバイスを接続する作業が要らないため、起動して遊び始めるまでの時間が短くて済みます。手軽さはそのままゲーム体験の良さに繋がる要素なので、気軽にPCゲームができることは非常に素晴らしいです。
 
 

短所

1.コスパがかなり悪い

『デスクトップPC』と比べると性能は落ちますが、ゲームを楽しむには十分な性能はあります。ただし、「高フレームレートで最高画質のヌルヌルプレイしたい!」という人には向いてません。それなりの性能なので。マシンスペックやゲームタイトル、ゲーム内設定にもよりますが、大体60〜150fpsくらいがターゲットになっている気がします。
モバイル向けCPUとGPUは、デスクトップ向けのものと比べて、大体60〜90%ほどの性能しかありません。それでも価格は一緒です。時にはパーツ単位換算でノートPCの方が高いことすらあります。
これにはちゃんと理由があります。主な理由としては消費電力の制限が大きいです。ノートPCに使う電源ケーブルや、冷却装置の限界等々の観点から省電力化は必須で、それにより性能が大きく下がっています。
デスクトップ向けのパーツでも、ノート向けのパーツと同じくらいの電力に制限することができますし、その時の性能もデスクトップ向けのパーツの方が優秀なので、コスパ面では絶対に勝てないです。
 

2.冷却ファンがうるさい

ノートPCの場合は冷却装置をPC本体に組み込む必要がありますが、スペースがないためファンの力で無理に冷やす必要があり、必然的にファンの音がうるさくなります。
最近のモデルは静かめになってきた気はしますが、それでもかなり気になる程度にはうるさいです。ヘッドホンも貫通してくることがあります。すごくうるさい
 

3.カスタマイズ性はない

オールインワンでセットアップが楽な一方、カスタマイズ性はほぼないです。一応メモリとストレージくらいは拡張できますが・・・
パーツ単位での交換はできないため、どこか1か所でも壊れたら全部買い替えになります。ゲーミングPCは一般的なPCよりも壊れやすく高価なため、ノートPCを選ぶ場合は相応の覚悟が必要です。
 

4.持ち運ぶには重い

ゲーミングノートは重いです。大体2kg〜がスタンダードな重さになります。
ビジネスPCの場合は0.5〜1kgくらいのモデルが多い気がするので、どこにでも持ち運ぶにはユーザーの筋肉が必要です。
またゲーミングノートは大きな画面を採用していることが多く、15.6〜17インチのモデルが一般的です。ゲーミング仕様ではないノートPCであれば触れたことはあるかと思いますが、アレがそのまま重く、うるさく、熱くなったものがゲーミングノートPCになります。
 
 

UMPC(ハンドヘルドPC)

UMPC』という名にあまり聞き覚えがない人も多いかと思います。「ウルトラミニPC」の頭文字を取って『UMPC』です。要はめっちゃ小さいPCの総称です。
かつてはガジェット好きが使うようなニッチな製品として扱われてきたUMPCですが、最近になり有名企業が市場に参入(ASUS社のROG AllyやLenovo社のLegion Go)し、大きな話題を呼びました。
これまでプロセッサーAMDの独壇場でしたが、MSI社がIntel Ultraシリーズを搭載したUMPCを発表したことで、さらなる市場の発展が見込めるPCです。
 

長所

1.超コンパクトで持ち運び最強

「ウルトラミニ」の名に恥じないコンパクトさで、携帯性に非常に優れています。
機種にもよりますが、サイズ感としてはゴツいNintendo Switch、もしくはスリムになったNintendo WiiUのパッドくらいの大きさです。『ノートPC』を持ち運ぶよりは断然コンパクトで、家内でも外出先でも持ち運びしやすいのは間違いありません。
 

2.圧倒的省電力

ROG Allyの場合ですが、外部電源65W(付属電源)でフルパフォーマンスを発揮します。『ノートPC』でも200W前後は要求されるため、省電力性で言えばUMPCは最強のゲーミングPCです。
 

3.手軽でゲーム開始までの敷居が低い

ゲーミングPCの場合、電源を入れればすぐゲームが遊べるコンシューマ機と比べて、ゲーム開始までの時間がややかかります。

①PCとモニターの電源を入れる
②キーボードとマウスを操作してPCにログイン
③PCの動作安定まで待つ
④ランチャーを起動してゲームを開く
⑤ゲーム開始
 
流れとしてはざっくりこんな感じで、「ちょっと時間あるからゲームしよう!」となった時に、このステップの多さで「やっぱやめるか・・・」になりがちです(僕だけ?)
UMPCもPCの動作安定を待つ時間はあるものの、腰を据えずに携帯ゲーム機の感覚で使えるため、ゲームをすることへの面倒くささや敷居の高さを軽減してくれる・・・気がします。少なくとも僕はそう思います。
 
 

短所

1.性能や動作に難あり

性能は物足りないです。こればかりは仕方ないですが、「もう少し性能が良ければ・・・」とモヤモヤしてしまうことはあります。
また、特殊なチューニングをされたPCであるが故に、ゲームタイトルによっては動作が安定しないこともあります。
特にマウスとキーボードを使うゲームとの相性があまり良くないです。一応、PCに搭載されているボタンやスティックにマウスやキーボードの操作が割り当てられていますが、上手く動作しないことが無視できないくらいの頻度で発生します。僕だけかもしれないですが。
AMDはソフトウェアベースでのコントロールが多いため、それが影響を与えている可能性は否定できませんが、この辺りはなんとかして欲しいです(願望)
それと、UMPCは搭載メモリをCPUとGPUに振り分ける構造になっていことが多く、ゲームタイトルによってはスペック不足と判断され起動できないことがあります。
例えばROG Allyには16GBのメモリが搭載されていますが、そのうち4GBはGPU用のメモリ(VRAM)に割り当てられているため、実質的に12GB+4GBという構成になります。
VRAMに割り当てるメモリ量は変更可能ですが、VRAMに割り当てるほどメインメモリに充てられる量は減りますし、VRAMに全く割り当てないことはできないため、メモリ16GBを確保することは実質的に不可能です。
そのため、ROG Allyではメモリ16GBを要求してくるAlan Wake 2は起動すらしませんでした。
 

2.カスタマイズ性皆無

カスタマイズは全くできません。
ストレージは換装可能ですが、増設は基本的に不可能です。ストレージを換装する場合も、UMPC向けのやや特殊なM.2 SSDを要求されることや、小型化のために内部構造が複雑になってることから、換装作業は初心者に優しくないです。
マウスやキーボード、モニターを外付けする場合にはドッキングステーションが必須で、Nintendo Switchのような感覚で「モバイル ↔ 据え置き」が簡単に切り替えられるかと言われると、かなり微妙です。
そもそもデスクトップで使用するにはスペックが微妙に足りないです。モニターに接続してデスクトップPCとして利用するとGPUがパワー不足になってしまい、付属のモニターよりもfpsが大幅に下がってしまいます。ウェブ閲覧やOffice使用など負荷の低い作業なら問題ないと思いますが、ゲームではフレームレートが安定しないため、快適な動作は難しくなります。
また、ドッキングステーションを使って接続する場合は、結果的に『デスクトップPC』と同じ環境を組む必要があり、UMPCをメインのゲーミングPCとして使うくらいなら、頑張ってタワーを設置する空間を作って『デスクトップPC』を設置した方が、安くて高性能な環境を組めます。
 

3.機種の選択肢がない

最近になってUMPCが一般的に知られてきたこともあり、市場がまだ熟していません。そのため、選択できる機種は非常に限られています。
入手性とサポート体制の良さを選ぶのであれば、有名企業のASUS社(ROG Ally)やLenovo社(Legion Go)がおすすめです。というか、性能も頭一つ抜けて優秀なので、実質的にこの2つが現在の最有力候補です。
他にはZARPA社のGDP WINシリーズ、One-Netbook社のONEXPLAYERシリーズ、AYANEO社のAYANEO PROシリーズやAYANEOシリーズ、AOKZOE社のAOKZOEシリーズなどがあります。どれも個性があって面白いですが、ASUS社のROG Allyが優秀すぎるのが良くないんですよね・・・。
各社のUMPCで性能にそこまでの差がないため、基本的に好きなものを選んでいいと思います。ASUS社のROG AllyとLenovo社のLegion Goは採用しているプロセッサーが最新世代を搭載しているため、現時点では最高性能を誇ります。その割には安いので、UMPCの中では本当におすすめです。
 
 

結局、どれが『買い』なのか

結論としては「デスクトップPCが最もおすすめ」です。場所をとるデメリットを差し引いても、デスクトップPCでのゲーム体験は他のPCには代わることはできません。
 
ただし、「①資金に余裕があり、②画質やフレームレートは妥協できて、③常にPCと周辺機器を展開している空間の余裕がなく、④確実に場所を変えてゲームをする」という条件を満たすのであれば、ノートPCをおすすめします。
①と②の条件は、購入後の後悔の大きさに関わってくるため、非常に大切です。ノートPCの項目で話した通り、ノートPCはデスクトップPCと価格が変わらないのに性能がやや低く、「同じ値段ならもっといい環境で遊べたのか・・・」といった後悔に繋がりやすいです。知人はそれで後悔してました。
③と④の条件は、デスクトップPCでは絶対に満たすことができない条件であるため、この条件を重視するのであればノートPCかUMPCしか選択肢はないです。
 
「じゃあUMPCは?」というと、初めてのゲーミングPCに選ぶのは全くおすすめできません。
純粋に性能が足りず満足できるゲーミング環境にないこともありますが、まだゲーミングPCとしては発展途上にあり、初心者が手を出すにはややハードルが高いことが大きな理由です。
ただし、UMPC自体は個人的に非常に気に入っていて、サブゲーミングPCとして使う分には申し分ないと思います。特に手軽に遊びたいノベルゲームや、数十分~数時間程度で終わる軽いゲームを遊ぶにはうってつけで、そのようなゲームを中心にプレイしたいゲーマーは是非購入を検討してほしいです。
 
デスクトップPCは性能が申し分ないことに加え、不調になったパーツは交換が可能で、長く使用することができます。また見た目にこだわることもできるため、インテリアとして部屋を彩ることができます。
しかも最近はデスクトップPCの小型化が流行っていて、辺30cm四方の面積があればハイエンドなPCも組めるようになりました。かがくのちからってすげー
小型PCは組立てやメンテナンスがやや面倒で初心者に勧めにくいですが、自作ではなくプロが組んでくれるBTOであれば、リスクなく美しいPCが手に入るため、ハードルがグッと下がります。
 
現時点では、『ノートPC or UMPCを選ぶメリット』よりも『デスクトップPCを選ばないデメリット』の方が大きい気がします。消去法でデスクトップPCを勧めているように見えますが、それだけデスクトップPCには他に代えられないメリットが詰まっている、と読み替えてもらえればと思います。
 
 

ざっくりFAQ

結論が出たところで、ゲーミングPC関連でよく聞かれる質問と僕なりの回答をざっくり書きます。何かの参考になれば幸いです。
 

Q.予算がわからん!

A.「絶対この金額以上は出さない!」というラインを決めましょう
ゲーミングPCは無限に金をかけられます。下は数万円、上は数百、数千万なんて行きます。怖いです。
ゲーム環境には、①PC本体、②モニター、③キーボード、④マウスが必須で、その他にマウスパッド、ヘッドセット、デスク、チェア等周辺機器を必要に応じて用意することになります。
PC本体のみか、周辺機器も併せた金額かは人によるかと思いますが、とにかく自分が出せる限界額で予算を組むのがおすすめです。そうすれば、「もっと性能必要だったかなあ・・・」と感じる場面でも、「でもあの時買えるPCはこれが限界だったから仕方ない」と正当化できます。この精神はとても大事です(n敗)
 
ちなみに、PC本体+モニターの予算で考えている場合の目安として、モニターの金額はPC本体の15~30%くらいのものを選ぶのがおすすめです。
僕の経験則からの理論になりますが、GPUとモニターの価格比としてはGPU(グラボ)の価格の30~60%くらいの価格のモニターが性能として適正であることが多いです。組立済みPCの場合、PC価格の50%ほどがグラボ価格なので、PC本体の価格の15~30%がモニターの価格帯として適切、というわけです。
若干詳しい解説は以下の過去記事の後半に書いているので、興味があれば探してみてください。
azukiss.hatenablog.com
 
 

Q.適切な性能がわからん!

A.出せる金額で最高の性能のやつを買え
ゲーミングPCの性能が高くて困ることはないです。これはマジです。
逆に性能が足りないと困ることは多いです。これもマジです。
 
よく「やりたいゲームの推奨スペックに合わせるのがオススメで~」とか「コスパ重視で最低限のスペックで組むと無駄がなくて~」とか言っている人がいますが、あれ全部エアプなんで無視していいです(強火発言)
推奨スペックは確かに気にした方がいいですが、推奨スペックに合わせるのはおすすめしません。大体は『平均して1080p(FHD)で60fpsくらいで遊べる』のが推奨スペックで、高リフレッシュレートなモニターを買っても、その恩恵を得られないことが多いです。推奨スペックを下回ってなければヨシ!くらいの気持ちでいいです。
今遊びたいゲームの推奨スペックに合わせてしまうと、今後新しいゲームを始めようとしたときにスペック不足になってしまう可能性があります。特に最近は高いGPU性能を要求してくるゲームが増えてきているため、多くのゲームタイトルに触れていきたい人はなおのこと強いGPUを載せた方がいいと思います。
たまに「自分には過剰スペックだった」という話を聞きますが、単純にPCスペックとモニターのスペックが合っていないだけだと思います。モニターのスペックがPCに見合っていれば、PCのスペック過剰なんて起こり得ません。
 
「だからどれくらいのスペックがいいんだよ!」という人に向けた雑まとめも紹介します。
CPUとGPUには、強さのランクがあります。詳しくは次項「Q.スペックの基準がわからん!」を見てください。
とりあえず最低ラインとして、CPUはランク5、GPUはランク6番台のミドル&ミドル構成をおすすめしています。1080p(FHD)で遊ぶなら、とりあえずこの構成にしておけば遊べないゲームはないです。
ミドルCPU&ミドルGPU構成を基準として、予算に合わせてGPUランクアップ→CPUランクアップ→GPUランクアップ・・・という形でグレードを上げていけばいいと思います。
とにかくお財布の限界を攻めましょう。
 
「ゲームのメインはコンシューマ機!高フレームレートも必要ない!PCでしか買えないゲームが遊びたいだけだから、少しでも安いゲーミングPCが欲しい!!!」という人には、ランク3か5のCPUに、エントリークラスのGPUを合わせる構成がオススメです。
詳しい説明は省略しますが、ゲームはCPUの『シングルスレッド』という性能が重視されることが多く、エントリー〜ミドルクラスのCPUでも十分に遊べるくらいのシングルスレッド性能を確保することができます。
なお、ランク3のCPUを買う場合はIntel製がオススメです。
ただし、エントリークラスのPCでは重量級のゲームを満足に遊ぶことができない可能性があるため、そこを理解したうえで選択しましょう。
 
 

Q.スペックの基準がわからん!

A.大体こんな感じ
CPUはIntel製とAMD製の2つがメジャーですが、どちらも型番から性能がわかります。型番の最初の1桁の数字がランク、後半の4~5桁の数字がシリーズ番号(世代)を表しています。どちらも数字がデカいほど性能と価格と消費電力が高いです。
ランクは、3、5、7、9がありますが、ゲーミングPCであれば5~9が一般的です。世代は最新世代か、1つ前の世代がおすすめです。どれが最新世代かはググればわかります。
僕が使用しているCPUを例として見てみます。Intel製のCore i9-13900Kであれば、ランク9(超ハイエンド)の13世代になります。AMD製のRyzen5 5500であれば、ランク5(ミドル)の5000シリーズ(Zen3世代)になります。どちらも最新世代から1つ前の世代になります。
また、CPUの型番の後ろにあるアルファベットもちゃんと意味があります。Intel製であれば、『K』『KF』『F』『無印』があります。『無印』を基準として、『K』はより高性能なモデル、『F』はGPUが内蔵されていないモデルです。つまり『KF』は高性能で内蔵GPUがないモデルになります。ゲーミングPCの場合はより高性能なGPUを載せるため、内蔵GPUはなくても何とかなりますが、あるに越したことはないと思います。
AMD製の場合、内蔵GPUがないため、Intel製の『F』に該当するモデルはありません。ただし、内蔵GPUを搭載した『G』モデルがあります。AMD製の高性能モデルには『X』、3Dキャッシュと呼ばれるものを増量したモデルが『X3D』になります。
 
GPUNvidia製(GeForce)とAMD製(Radeon)、Intel製(Arc)の3つがありますが、Intel社は参入したばかりのため、NvidiaAMDが主流です。圧倒的人気はNvidia社のGeForceシリーズです。
GeForceの場合は4桁の数字で型番が決まっています。数字の前2桁が世代、後半2桁がランクを表します。ランクは50~90があります。数字がデカいほど性能と価格と消費電力が高くなります。数字の後ろにアルファベットがついていると、同じ4桁の数字のGPUより高性能です。
Radeonの場合も、4桁の数字で型番が決まっています。最初の1桁が世代、後半3桁がランクを表します。ランクは400~950があります。数字がデカいほど性能と価格と消費電力が大きくなります。数字の後ろにアルファベットがついていると、同じ4桁の数字のGPUより高性能です。
ざっくり比較表を作ったので、何かの参考にしてください。
 

Ge 40 Ge 30 Ra 7x Ra 6x
4090 超ハイエンド
越え られ ない
4080Su
4080 7900XTX
4070TiSu 7900XT
4070Ti 3090Ti
4070Su 3090 6950XT
3080Ti
6900XT ↑ ハイエンド
4070 3080 7800XT 6800XT
3070Ti 7700XT 6800
4060Ti 3070 6750XT ↑ アッパーミドル
6700XT
3060Ti 7600XT
4060 7600 6650XT
6600XT
3060 ↑ ミドル
6600 ↓ エントリー
3050
6500XT
6400

Ge 40GeForce RTX 40シリーズ、Ge 30GeForce RTX 30シリーズ
 Ra 7xRadeon RX 7000シリーズ、Ra 6xRadeon RX 6000シリーズ
 
ゲームタイトルにもよって性能は前後しますが、概ねこんな感じのイメージです。
エントリーモデルの中では、GeForceのGTX 1660 Ti/SuperやGTX 1650といったGeForce GTX 16シリーズもまだまだ人気ですが、長く使うには性能が不足しそうなのと、GTXシリーズは生産終了するらしいので候補から外しました。
ちなみにGTX 1660 Ti/SuperはRTX 3050と、GTX 1650はRX 6400と同等の性能です。
 
 

Q.ストレージってどれくらいあればいいの?

A.最低1TBは欲しい。Cドライブと兼用なら2TB
1TB(テラバイト)=1,024GB(ギガバイト)です。
最近のゲームは容量の要求が大きいものが多く、100GB前後のゲームタイトルが増えてきた印象です。1TBあれば基本的に足りるとは思いますが、クリアしたゲームを入れっぱなしにしておくと足りなくなるため、定期的なデータ整理は必要です。
Cドライブとゲーム用ストレージを兼用する場合、1TBだと絶対足りません。一瞬で消えます。マジです。2TBは絶対必要です。
初期投資額に制限がある場合は、始めは1TBから開始して、足りなくなったらゲーム用ストレージを購入して増設&データ引っ越しでもいいかと思います。お財布と相談です。
 
ストレージにはHDD、SATA SSD、NVMe(M.2)SSDが主流ですが、今買うなら断然NVMe(M.2)SSDがオススメです。読み書きが早くて安く買えます。もうこれだけあればいいです。
HDDは大容量で安いので、雑多なデータを入れるサブストレージにオススメです。僕もメインPCのサブストレージとして8TBのHDDを採用しています。大容量なので適当に入れていいので便利です。ただしHDDは衝撃に弱いため、データ損失の可能性が高いのは欠点です。
SATA SSDは、HDDより読み込みが早く、衝撃に強いためデータ損失のリスクが低いストレージです。かつてはSATA SSDが主流でしたが、より高速なNVMe(M.2)SSDが出現し、値段もSATA SSDより安くなってしまったため、現在SATA SSDを選ぶ理由は薄くなっています。
 
 

Q.メモリってどれくらいあればいいの?

A.最低16GBだけど、32GBを推奨
ゲーミングPCの推奨メモリとして、長らく16GBが勧められてきましたが、最近はゲーム自体に16GBのメモリを要求してくることが度々あります。
ゲーミングPCはPCなので、ゲーム中でもバックグラウンドで別のアプリケーションが起動しているため、ゲーム以外にもメモリを使用しなければなりません。推奨ギリギリのメモリ量で遊んでいると、バックグラウンドのアプリがメモリを食ってゲームに割くメモリが減り、フレームレートの低下や動作の不安定さを招くことになります。
基本的にメモリはあって困ることはないので、16GBに追加する最小メモリ量として+16GBの計32GBにすると快適にゲームを遊べると思います。もちろん、後からメモリは増やせるため、16GBから始めて足りなければもう16GB追加でもいいです。
 
 

Q.電源ってどれくらいあればいいの?

A.一応、PC全体の電力量の2倍とは言われてるけど・・・
正直、2倍も要らないと思います。2倍にするメリットは、①電源の変換効率が最高になるのが負荷50%の時だから、②今後パーツをアップグレードするための余裕確保 が挙げられます。
電源についてはドスパラさんのサイトで詳しく説明しています。リンクを貼っておくので参考にしてください。
www.dospara.co.jp
 
僕が初心者にオススメしている簡単な計算式があるので紹介します。

 ( CPU + GPU + 100 ) × 1.7 = 推奨電源 
これだけです。簡単ですね。
この計算式による推奨電源の数値から、±30くらいで見積もればいいと思います。下1桁は切り捨てていいです。
 
CPUとGPUは最大消費電力を使います。CPUならMTP、GPUならTGPの数値を入れます。「CPUの型番_MTP」「グラボ(GPUではなくグラボの方)の型番_TGP」で検索すればすぐヒットします。
追加で足している100Wは、CPUとGPU以外に使用するシステム全体の電力を、やや大きめのマージンで確保した数値になります。「とにかく安定動作する最小構成がいい!」という人は、ここの数値を70にしてもいいです。
電源の変換効率が90%くらいであること、電源は1.5倍あれば安定動作には足りることから、その数値に近くなる1.7倍で積算しています。100Wで大きめのマージンを取っているため、そこまでギリギリを攻めた数値でもなく割と安心です。
 
 

Q.CPUクーラーは水冷?空冷?

A.どっちでもいい
本当にどっちでもいいです。
基本的に空冷の方が安いですが、最近は簡易水冷の価格が下がってきました。ハイエンド空冷よりも360mm簡易水冷の方が安い、なんてこともあります。
水冷の方が冷えますが、空冷も負けないくらい冷えるため、まあどっちでもいいか・・・という感じです。
長く使えるのは空冷です。あとはお財布とか見た目で決めていいです。ランク7か9のCPUの場合には水冷推奨です。ランク7の無印ならハイエンド空冷でも冷えます。
 
 

Q.自作?BTO

A.自己解決能力に自信があるなら自作、基本的にBTOでいい
自作だとパーツの相性問題とか、OSのインストールとか、リカバリディスクの作成とか色々自分で何とかしないといけないので、初心者にはあまりオススメしません。
BTOだと推奨パーツである程度骨組みしてくれるので、予算の許す限りアップグレードすればいいだけなのでとても簡単です。購入後のサポートもあるので、何かあっても慌てずに済むのもポイント高いです。
一方で、メーカーが出してるPC(DELLのAlienwareとかHPのOMENとか)は、独自の規格のパーツを使っていたり、性能を制限していたりするため、個人的にあまり推奨していないです。ダメではないので買ってもいいですが・・・
 
 

Q.ゲーミングPCを買ったら最初にやることは?

A.とりあえずこれ入れとけ
①Steam
超有名なゲーム配信プラットフォーム。まずはこれを入れましょう。
 
Epic Games
Steamと同じようにゲームを配信しているプラットフォーム。毎週金曜日AM1時に、無料でゲームを配ってくれます
ゲームは基本的にSteamで購入すると思いますが、Epic Gamesだけで配信しているゲームもあるため、Steamとの併用がオススメです。無料でゲーム貰えるし。
 
③Discord
友人とテキスト&ボイスチャットができるコミュニケーションツール。なお友人は付属しません。
通話するならLINEとかSkypeでもいいですが、Discordは利用者が多く、通話の質もいいので基本的にDiscordでいいです。
 
とりあえず上記3つを入れればOKです。あとはGoogle ChromeとかOBSとかNVIDIA Broadcastとか、好きなやつを適宜入れればいいと思います。
 
 
 
ざっとこんな感じですかね。いっぱい書いちゃった・・・
まだまだ説明できることはいっぱいあるんですが、ここには書ききれないし、初心者向けというには踏み入った内容になるので、ここでは割愛します。あとは各自で勉強してください。
書くのに疲れたので今回はこんな感じで。
よいゲーミングライフになることを願っています。
 
それでは
 
 
おしまい